Right Kind of Wrong: The Science of Failing Well / Amy Edmondson
確か、紀伊國屋書店の洋書フェアで見かけて面白そうだったので買った本だと思います。ようやく読めました。賢く失敗する、失敗から賢く学ぶためにはどうしたらよいか、そのような内容が書かれている本だと思います。
・「失敗」といっても、「良い失敗」「必要な失敗」「避けられない失敗」もあれば、「悪い失敗」「不必要な失敗」「避けられる失敗」もある。前者であれば、できるだけリスクを抑えながらどんどん失敗してそこから学ぶべきだし、後者であれば、起きてしまった失敗からしっかり学び、同様の失敗が起きないように対策をすべきである。
・失敗した時に、人は、その原因をしっかり考えなかったり、表面的な分析で終わらせたり、他人のせいにしたりする傾向がある。失敗から賢く学ぶためには、一旦立ち止まって、表面的な分析で終わってないか、自分にも落ち度がなかったのか等、失敗の原因を深く考えた上で、表面的でない一番良い対策方法を選ぶべきである。
・なにかにチャレンジする時には、状況をしっかり把握する必要がある。新しい分野でのチャレンジなのか、知識・ノウハウがある程度確立された分野でのチャレンジなのか、前者であれば、目的を明確にした上でどんどん失敗する必要があるし、後者であれば、既存の知識・ノウハウをしっかり学習して、余計な失敗をしないようにすべきである。また、失敗した時の影響(physical, financial and reputational)が大きいチャレンジなのか、失敗した時の影響が小さいチャレンジなのか、前者であれば、少しでも影響が小さくなるよう工夫し、慎重に進めるべきである。更に、複合的要因がからみ合う状況であれば、ことが大きくならないうちに失敗の目を摘むことができる仕組みを用意しておく必要がある。
・「良い失敗」を促進し「悪い失敗」をなるべく防ぐためには、組織の中に心理的安全性があることが大事である。組織として失敗から学ぶことができるように、積極的に失敗を共有するような仕組み・組織文化ができているか。失敗が起きそうなときに、誰でも声を上げることができるような仕組み・組織文化ができているか。失敗に関する情報が組織内でスムーズに流れていることが大事。
大まかには、上記のようなメッセージを本書から受け取りました。
洋書としては、具体例が豊富に出てくるので、最後まで興味深く読むことができました。使用単語も比較的易しいので、読み易いかと思います。また、トヨタの話が結構出てくるので、日本人には馴染みやすいかもしれませんね。
「失敗」を新たな視点で捉え直すことができる良い本だと思います。お勧めです。
最後に、覚えておきたいなぁ…と思ったフレーズを一つ。
Between stimulus and response there is a space. In that space is our power to choose our response. In our response lies our growth and our freedom.
-Attributed to Viltor E. Frankl