フィクション

2017年12月16日 (土)

読みました(洋書/児童書) ~ Charlie and the Chocolate Factory

前から一度読みたいと思ってはいたのですが、先日、メルカリで安く出品されていたので、読んでみました。

貧しい暮らしをしていたCharlieが、巨大な、でもちょっと怪しいチョコレート工場に招待されることになり、おじいさんと一緒に行くことになります。そこで見たものは…

もう少しほのぼのとしたお話を勝手に想像していたのですが、いい意味で期待が裏切られて、とても毒のある、風刺の効いた話で面白かったです。"Matilda"と同じくらい、楽しく読むことができました。大人にもお勧めできる児童書だと思います。

Roald Dahlの本は、古本で安く売りに出ていることが多いので、もう少しいろいろと読んでみたいです!

2017年10月29日 (日)

読みました(洋書/教育) ~ Helping Children Succeed

ベストセラーになった"How Children Succeed"(邦題「成功する子 失敗する子」)の続編とも言うべき作品です。前作がとても興味深かったのと、フローレンス代表の駒崎氏が邦訳「私たちは子どもに何ができるのか」のまえがきを書いていることもあり、読んでみました。

前作の"How Children Succeed"で、子供たちが将来うまくやって行く為には、Grit、Perseverance、Resilience、Zest、Curiosityといったnoncognitive skillsを身に付けることが大切だ、という結論になったのですが、「それでは、子供たちにそのようなスキルを身に付けさせる為には、一体どのようにしたら良いのか?」という残された課題について考察しているのが、本書になります。

大まかな著者の主張としては、「そのようなスキルを子供たちに直接的に教え込むことはできない。そのようなスキルを身に付けられるような環境を子供たちの周りに整える必要がある。」ということだと思います。

Rather than consider noncognitive capacities as skills to be taught, I came to conclude, it's more accurate and useful to look at them as products of a child's environment.

If we want to improve a child's grit or resilience or self-control, it turns out that the place to begin is not with the child himself. What we need to change first, it seems, is his environment.

乳幼児期であれば、家庭で、若しくは幼稚園等で、子供たちの言葉・行動・様子に暖かく反応してあげれる環境を作ることが大切、とのことです。

These rudimentary interactions (="serve and return" interactions) between parents and babies, which can often feel to parents nonsensical and repetitive, are for the infants full of valuable information about what the world is going to be like. More than any other experiences infants have, they trigger the development and strengthening of neural connections in the brain between the regions that control emotion, cognition, language, and memory.

But first, before they set foot in preschool, they need to spend their first three years in an environment with plenty of responsive, warm and serve-and-return interaction with caring adults. And if they can't get that at home, they need to get it at a place like Educare.

学校に行くようになれば、やはり子供たち一人一人の話をしっかり聞き、一人一人への期待をしっかり伝えると共に、一方的に講義をするのではなく、自主的・主体的に学べるような環境、子供たちの3つの欲求(competence, autonomy and relatedness/belonging, independence and growth)を満たすような環境を作ってあげることが大切、とのことです。例えば、グループワーク等で、子供たちの能力を少し超えるような課題にチャレンジさせる、等。厳しい規則を決めたり、ご褒美等のインセンティブを与えたりしても、殆ど効果はないようです。

The way kids learn that (=character) is by continually being compelled and supported to take risks - by sharing their work with their parents, by sharing thier work with groups, by speaking out in class, by presenting their work.

In order for a student to truly feel motivated by and about school, he also has to perceive that he is doing important work - work that is challenging, rigorous, and deep.

The experience of persisting through an intellectual challenge and succeeding despite the struggle is a profound one for school-children...It produces feelings of both competence and autonomy...

また、そのような環境を作る為には、子供たちだけでなく、環境を作る主体である親や先生たちも同様にサポートしていく必要がありそうです。

本書は、一章が短く、ポイントがコンパクトにまとまっていて読み易いのですが、思ったよりも具体例が少なく、読み物としてはちょっと物足りない感じがしました。個人的には、もう少しページ数を増やして、前作のSpiegel先生の話のような具体例を沢山挟み込んで欲しかったなぁ…と思いました。

とは言え、興味深い話ではありますので、教育・育児に興味のある方にはお勧めできると思います。

ちなみに、邦訳はこちら…

2016年5月20日 (金)

読みました(洋書/ヤングアダルト) ~ Eleanor & PARK

私の苦手な、あまり好みではないジャンル(YA/ヤングアダルト)の本なのですが、評判が良さそうなので、前々から読もうかどうか迷っていました。今年3月の紀伊國屋(梅田本店)の洋書バーゲンで見つけたので、せっかくなので買って読んでみました。渡辺由佳里さんの「洋書ベスト500」にも掲載されております。

最近(3年ほど前に)書かれた本ですが、舞台は1980年代のNebraska州Omahaになります。主人公の一人であるParkは、母親が韓国人、父親がアメリカ人のハーフで、音楽や漫画が好きな男の子。もう一人の主人公であるEleanorは、いつも変わった格好をしている赤毛の女の子で、母親の再婚相手が酒飲みで母親に暴力をふるっており、Eleanorのことを疎ましく思っている様子。そんな高校生二人の、一風変わった恋愛物語です。

話の出だしから、最後には別れ別れになってしまうことがなんとなく分かってしまうのですが、音楽や漫画を通じて二人が交流を深めていくのを読んでいると、「うまくいって欲しいなぁ…」と思わずにはいられませんでした。最後は、思っていたよりも希望の持てる終わり方になっており、なんだかほっとしました。爽やかな余韻の残る、いい終わり方だと思いました。

恋愛物語ですので、正直、この年になると、読んでいて恥ずかしくなる場面も多々あるのですが、人種差別、家庭内暴力、離婚、貧困、いじめ等々の問題も絡み合っていて、思っていたよりも興味深く読むことができました。特に最後の100頁くらいは、話に引き込まれて一気に読んでしまいました。物語の進み方(テンポ)も、丁度良いと思いました。

残念だったのは、物語に出てくる具体的な音楽や漫画について、私に殆ど知識がなかったこと。もし知識があれば、より一層、この物語を楽しめたのになぁ…

YAなので、好みが分かれるとは思いますが、なかなか良い本だと思いました。

2015年12月26日 (土)

読みました(洋書/フィクション) ~ To Kill a Mockingbird

渡辺由佳里さんの「洋書ベスト500」にも掲載されている名著です。1930年代のアメリカ南部アラバマ州の静かな町が舞台となっています。50年以上前の作品なので、読もうかどうか迷っていたのですが、先日古本を見つけたので、これを機会に読んでみました。

無実にも拘わらず裁判にかけられてしまう黒人のTom Robinson、Tomを救おうとする白人の弁護士のAtticus Finch、一家の世間体を守るためにTomを犠牲にしようとするRobert EwellとMayella Ewellの父と娘、この裁判を中心に据えながら、物語が展開していきます。

当時のアメリカ南部における黒人に対する厳しい差別・偏見が主要なテーマになっていると思いますが、物語がAtticusの娘であるScoutの視点から語られることにより、適度にユーモアがちりばめられていて、読んでいてそれほど辛くはなりませんでした。

Finch家の隣に住んでいるが、Scoutも兄のJemも一度も見かけたことのないBoo Radleyという人物が、この物語で大きな役割を果たしているのですが、それは読んでからのお楽しみ…

この本を読んで、Michael Sandelの"Justice"を読んだ時以上に、「何が正義なのか?」について深く考えさせられました。さすが、長く読み継がれている本だと思いました。

洋書の難易度としては、くだけた表現が多く、知らない単語も沢山あり、また1960年の作品ということもあってか、物語の始めの方は読みづらい印象を受けました。ただ、中盤からは物語の魅力に引き込まれて、どんどん読むペースが上がりました。少し苦労してでも読んでみる価値のある本だと思いました。

翻訳では「アラバマ物語」との題名になっています。

2015年11月 1日 (日)

読みました(洋書/児童書) ~ The One and Only Ivan

洋書ファンクラブの「2013年 これを読まずして年は越せないで賞(児童書/YA部門)」の候補作です。渡辺由佳里さんの「洋書ベスト500」にも掲載されています。ショッピング・モールで見世物として飼われているゴリラが主人公の物語です。

ゴリラのIvanは、幼い頃にジャングルから連れてこられ、人間の家庭で育てられ、その後、ショッピング・モールにある檻の中で暮らしていました。ゴリラのIvanには、隣の檻にいるゾウのStella、野良犬のBobという友達がいました。そして新たに、子供のゾウのRubyがショッピング・モールに連れてこられます。

Ivanは、人の言葉をそれなりに理解できるし、Stella、Bob、Rubyとは会話することもできます。Ivanは、檻の中での生活を自分の運命として受け入れ、淡々と日々を過ごしていたのですが、新しく連れてこられたRubyが辛い思いをしているのを目の当たりにして、Ivanの気持ちに変化が現れます…

後書きによると、物語自体はフィクションなのですが、Ivanは実在するとのことです。実在のIvanは、物語と同様に、幼い頃に中部アフリカで捕まえられてアメリカに送られ、人間の家庭で育てられていましたが、家庭で育てられなくなると、ワシントン州のショッピング・モールに送られて、そこで27年間、檻の中で暮らしていたとのことです。そして、ショッピング・モールが倒産した後に、アトランタ動物園でゴリラの仲間達と一緒に過ごすことになった、とのことです。Ivanは2012年に亡くなったようです。

アトランタ動物園のIvanに関する情報 ⇒ http://www.zooatlanta.org/ivan?ff_s=U-JQ1A

250頁ほどある本ですが、物語が1、2頁ごとに区切られていて、テンポ良く場面が展開していくので、とても読みやすいと思います。馴染みのない単語も出てきましたが、思ったよりも早く読み終わりました。

物語には、確かに読んでいて辛くなる場面もあるのですが、IvanとStella、Bob、Ruby、そして清掃係の子供Juliaとの会話・交流にユーモアがあり、全体的には心温まる物語でした。また、人間側にもそれぞれの事情があり、そのことが物語の深みを増していると思いました。

児童書ですが、いろいろ考えさせられる場面も多く、大人の方にも十分お勧めできる本だと思います。

2014年12月20日 (土)

読みました(洋書/フィクション) ~ GONE GIRL

半年以上前に、紀伊國屋(梅田)の洋書バーゲンで購入した本です。なんとか映画の公開前に読み終わろうと思っていたのですが、間に合いませんでした。coldsweats01

主人公のAmyとNickは、お互いに魅かれて結婚したはずなのだが、時間と共に2人の間の溝は深まり、2人の失業や、Amyの両親の金銭的な破綻や、Nickの母親の重病等も重なり、その溝は修復し難いものになっていった。そして、5年目の結婚記念日に、Amyが突然姿を消す…

なぜAmyはいなくなったのか、犯人はいったい誰なのか、AmyとNickとが交互にストーリーを語っていくなかで、次第に真実が明らかになっていきます。

先がどうなるのか早く知りたくて、最後の100頁くらいは、引き込まれて一気に読んでしまいました。

とても面白い話なので、一読の価値はあるかと思うのですが、個人的には、終わり方がどうも好きになれませんでした…

この本については、渡辺由佳里さんの洋書ファンクラブでの紹介記事が一番参考になると思いますので、こちらも合わせてお読み下さい。

2014年10月16日 (木)

読みました(洋書/フィクション) ~ WE ARE ALL COMPLETELY BESIDE OURSELVES

渡辺由佳里さんのブログ「洋書ファンクラブ」で紹介されていた、今年のブッカー賞候補作品です。

本書の主人公 Rosemaryは、5歳の時に姉(妹?)Fernがいなくなり、それから7年後に兄 Lowellもいなくなってしまい、家族がバラバラになってしまいます。「なぜ」二人はいなくなってしまったのか、「どこへ」二人は行ってしまったのか、読み進めるうちに、次第に、徐々に明らかになっていきます…

物語全体の真ん中あたり、Rosemaryが22歳の頃(1996年)から話が始まり、そこを起点にして、「より前の時点へ」「より後の時点へ」と、話が同時並行的に進んでいきます。その結果、「なぜそうなったのか?」と「これからどうなるのか?」の両方の気持ちを抱きながら読み進めることになって、なかなか楽しかったです(ちょっと頭が忙しくなりますが…)。

また、本書のテーマについても、「人の記憶」「家族という微妙な関係」「動物との共感」「動物実験」等々、非常に興味深いものでした。

本題からは少しそれますが、本書の中に時々、日本語や、日本に関係すること(徳弘正也の「ターちゃん」、小林一茶の「やれ打つな 蝿が手をする 足をする」等)が出てくるのがちょっと面白かったです。そのお陰で、本書に対してより親近感が湧きました。

読み易さという点では、私にとっては難しい単語、言い回しが多く、結構骨が折れましたが、内容が興味深いので、一気に読むことができました(意味の分からない箇所を飛ばしながらですが…)。洋書に慣れていない方にとっては読みにくいかなぁ…とも思いますが、内容的にはお勧めです。

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渡辺由佳里さんが書かれているように、本書のあらすじにはあまり触れない方がいいと思うのですが、一つだけ…

この物語の終わりの方で、主人公のRosemaryが…

I've spent most of my life carefully not talking about Fern and Lowell and me. It will take some practice to be fluent in that. Think of everything I've said here as practice. 

Because what this family needs now is a great talker.

と述べるのですが、特にこの箇所を読んだ時に、私は胸にこみ上げてくるものがありました。他の方はどうなのでしょう…

2014年8月 2日 (土)

読みました(洋書/フィクション) ~ Where'd You Go, Bernadette

先日、「江坂の洋書屋」さんで古本で見つけて購入しました。渡辺由佳里さんの洋書ガイド「洋書ベスト500」にも載っております。

題名にも出てくるBernadetteは、人付き合いが嫌いで(理由はあるのだが…)、買い物、薬の手配等までインドの代行業者に任せるような状態。夫のElgieはMicrosoftの極めて優秀な技術者だが、家のことはあまり顧みずに、仕事に没頭する毎日を送っている。そんな中でも、高校生の娘のBeeは成績優秀で、周りの子供達の手助けもしながら、好奇心旺盛に学業に励んでいる。

そんな中、Bernadetteの人付き合い嫌いがきっかけとなって、いくつかの事件が引き起こされ、Bernadetteの状態に危機感を感じたElgieは、強制的にカウンセリングを受けさせようとするが、Bernadetteは突然姿を消す。

ここからが終盤で、舞台はSeattleからAntarctica(南極)に移ります。そして、「いったいこの一家はどうなってしまうのか!?」と、俄然面白くなってきます。

物語は、基本はBeeのナレーションで語られるのですが、多くの部分が、登場人物間でやりとりされる手紙、FAX、E-mail等で構成されていてます。このことにより、登場人物それぞれの視点から物語が語られることになり、結果的に物語が生き生きとしてきて、非常に面白いものになっていると感じました。

また、今回はAudiobookを聞きながら読んだのですが(聞き読み)、それぞれの登場人物の言葉が感情たっぷりに語られるので、可笑しいところはより一層可笑しく、しんみりとするところはより一層しんみりと感じられ、本だけで読むよりも、より一層楽しむことができたと思います。

単語、表現等、フィクションを読み慣れていない私にとっては結構難しかったですが、それでも一気に読むことができるほど、話の内容は面白かったです。お勧めの一冊です。

ご参考までに、他の方の紹介文です。

1 渡辺由佳里さんの「洋書ファンクラブ」での紹介文

2 「江坂の洋書屋」さんの紹介文

2014年4月16日 (水)

読みました(洋書/フィクション) ~ The Rosie Project

渡辺由佳里さんの「洋書ファンクラブ」における、「これを読まずして年は越せないで賞」受賞作(フィクション(SF、ミステリ、ラブロマンスを含む大衆小説)部門)です。昨年末に、受賞作決定のツイッター会議に横やり参加してから、ずーっと読みたいと思っていたのですが、やっと読むことができました。

ごくごく簡単に言ってしまえば、「誤解から始まったドタバタ劇(ラブ・コメディ)」ということになるかと思いますが、そのドタバタ劇がとっても面白かったです。普段読まないジャンルの本ですが、最後の50頁ぐらいは、止まらなくて一気に読んでしまいました。

アスペルガー症候群(Asperger syndrome / Asperger's)と思われるDon(遺伝学の準教授、39才)は、細かく時間を区切って綿密に計画を立て、合理的・効率的な行動・パターンをとることを厳守して暮らしていましたが、Rosieと出会ってから、その行動・パターンが崩されていきます。

そしてDonは、非合理的・非効率的な行動を楽しんでいる自分に戸惑いながらも、自分自身・Rosie・友人・その他の人たちの行動・感情を、自分なりに丁寧に観察・分析し、その上で、Rosieのことを想い、自らを良い方向に変えようと努力します。そして更には、Rosieや友人の人生をも良い方向に変えようと努力します。

その努力の仕方が、とてもストレートなので、読んでいてとても清々しかったです。また、Donの、自分の核となる部分は保ちながらも、変えられるところは変えようとする姿勢にも、非常に共感を覚えました。

Donは、他人の感情を理解するのがとても苦手なので、読んでいて可笑しいところが沢山ありましたが、私自身も他人の気持ちを読むのがそれほど得意ではないので、なんか共感してしまうところも結構ありました。他人の気持ちを読んでいるつもりでも、読み違えていることもよくありますし、Donと私の差も程度の問題かなぁ…なんて思ってしまいました。皆さんはどうでしょう?

また、Donの自分自身・他人の行動・感情の分析が、まるで認知療法・論理療法を実践しているようで、とても興味深かったです。Donの分析は非常に論理だっているので、英語で読んでも、とても理解しやすかったです。

最後に、Rosieの本当の父親は誰なのか、私は最後の最後になるまで分かりませんでした。作者の筋書きにまんまと引っ掛かってしまった感じで非常に悔しいです…

元々は、映画の脚本として書かれたもののようなので、きっと映画化されるでしょう。

※この本が気に入った方は、こちら(mockingbird)もどうぞ…

2013年12月17日 (火)

読みました(洋書/フィクション) ~ A TALE FOR THE TIME BEING

この本は、渡辺由佳里さんの洋書ファンクラブで「これを読まずして年は越せないで賞」の候補になっていたのと、日本が舞台になっているとのことだったので、フィクションが苦手な私にはちょっと難しそうだったのですが、挑戦してみました。

主人公である Nao(東京・東北、日本)の記した、見知らぬ「誰か」に宛てられた日記を、もう一人の主人公である Ruth(Whaletown, Canada/この本の著者)が読む形で、話が展開していきます。その日記は、偶然に(必然に?)Ruth のもとに流れ着きます。

Nao の日記は、バブルの崩壊、家族の崩壊、うつ、自殺、いじめ、売春、戦争、仏教、禅、祈り…様々なテーマを含みながら、進んでいきます。日記を読む Ruth の思いも、病い、老い、テロ、孤独、震災、津波、シュレーディンガーの猫…様々なテーマを巡ります。

そして、Ruth が Nao の思いに応えるかのように、日記の世界に引き込まれていき、ついには Ruth の思いが Nao の現時点(time being)に、Nao の思いが Ruth の現時点(time being)に相互に影響を与えます。

You wonder about me.
I wonder about you.
Who are you and what are you doing?

そして、その結果、Nao と Ruth の現時点(time being)は、少しだけ良い方向に向かっていきますが、Nao がその後どうなったのか、分からないままで日記は終わります。そして、Ruth は、その分からないままの状況(not-knowing)を受け入れます。

I don't think you are dead.

I know I can't find you if you don't want to be found. And I know you'll be found if you want to be.

Ruth が Nao の日記の世界に引き込まれていくにつれて、読んでいるこちらも引き込まれていきました。後半は、先が知りたくて知りたくて、私にしては結構速いペースで読んだと思います。

この本は、読む人の思いによって受け取るメッセージが異なる、なんか不思議な本だと思います。

私にとっては、この本を読んで、(祈りを含めた)思うことの力、思うことによって自分の行動が変わり、他の人の行動が変わり、世の中もほんの少しだけ(良い方向に)変わるのだ、というようなメッセージをいただいたような気がしています。

ある方は「震災で行方不明になられた方への Ruth の想いがあの結末に込められている気がして…」といったご感想をお持ちでした。確かに、この本からは、そのような「祈り」のようなものも感じます。

また、この本は、英語の本なのに日本語が沢山出てきます。ローマ字だけでなく、平仮名も漢字も出てきます。そういう意味でも、とても不思議な感じのする本です。邦訳するのがとっても難しそうです…

正直なところ、知らない単語も沢山あり、量子力学の話も出てきたりして、読むのに骨が折れました。なので、この本を十分に理解できている自信はないのですが、この本についていろいろ考えれば考えるほど、いろいろなメッセージを受け取ることが出来ました。

非常に味わい深い本だと思います。

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