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2025年2月 5日 (水)

the Myth of Normal: Illness, Health and Healing in a Toxic Culture / Gabor Mate, Daniel Mate

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動画でGabor Mate氏のインタビューを聴いて気になったので読んでみました。

著者の主張の概要は…

現在、身体的な症状(病気)の治療においては、化学療法等の身体への働きかけしか行われないことが多いが、併せて心の問題への働きかけも行う必要がある。心と体は一体であり、実際、心の問題が身体的な症状となって現れることが多い。特に、幼少期のトラウマとそれに対する過度な反応・適応が、後に身体的な症状を引き起こすことが多い。従って、身体的な症状の治療に当たっては、医師も患者も、患者の心の問題や過去にも向き合う必要がある。

そして、我々は、それら心の問題を引き起こしている社会的背景にも目を向け、改善していく必要がある。

…という風に理解しました。

著者の医師としてのこれまでの経験や、患者や専門家へのインタビューを踏まえて上記の主張を展開しているので、なかなか説得力があると思いました。冷静に主張を展開するというよりは、熱心に語る感じがしたので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、私は最後まで興味深く読むことができました。

また、以前読んだ「12 Rules for Life」の著者であるJordan Peterson氏の主張を批判していたり、映画「Good Will Hunting」の話が出てきたり、これまた以前読んだ「Invisible Women」が女性の置かれている現状を説明するために引用されていたり、いろいろ話がつながって面白かったです。

難易度としては、500頁くらいあり、単語もそこそこ難しかったので、読むのに数ヶ月かかってしまいました。ので、軽く読む感じの本ではないかと思いますが、いろいろ考えさせられる良書だと思いました。

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