Himawari House / Harmony Becker
先日読んだ「THE CULTURE MAP」に続いて、異文化理解を深めようということで読んでみました。渡辺由佳里さんの「洋書ファンクラブ」で紹介されていたグラフィックノベル(漫画)です。2021年の作品。
話の舞台は日本で、主人公はシェアハウスで一緒に暮らす3人の若者。一人は日本で生まれアメリカで育った高校を卒業したばかりのNao、一人は韓国の大学を辞めて日本に来たHyejung、もう一人はシンガポールから日本に来たTina。この3人に、シェアハウスで一緒に暮らす日本人の兄弟、真一と正樹が関係してきます。
Naoが日本に滞在する一年間の出来事が描かれているのですが、それぞれが抱える将来への期待や不安、日本で感じる疎外感や戸惑いや喜び、育った国・環境による考え方の違い等々、3人の主人公の思いが生き生きと表現されています。日本に来る前の回想シーンにも、心を動かされました。恋愛とかもあるので、私くらいの年になると、正直読んでいて恥ずかしくなってくる場面もあるのですが、それでも最後まで楽しく読むことができました。
異なる文化的背景を持つ若者たちが心を通わせる、心温まる話ですが、多様性の意義や、これからの日本の在り方等々についても少し考えさせられました。特に、主人公たちと世代が近い高校生から20代の人たちは、共感できる場面が多いかと思います。
基本的には英語の漫画ですが、日本が舞台で、英語だけでなく日本語や韓国語も出てくるので、我々日本人には読みやすいと思います。と言うより、英語と日本語の両方を読めた方が、話をより理解できるかと思います。
また、日本人、韓国人、シンガポール人の英語の発音の特徴が、以下のような形で英語で表現されているので、最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、読んでいるうちに慣れてくると思います。
漫画なので普通の洋書に比べて読みやすく、洋書を読む入り口としてもお勧めできると思います。洋書に慣れている方には少し物足りないかもしれませんが、なかなか面白い本ですので一度手に取ってみて下さいませ。
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