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2023年4月

2023年4月18日 (火)

Influence / The Psychology of Persuasion

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Guy Kawasaki氏がTEDの講演(の動画)で勧めていたので読んでみました。人の意思決定に大きな影響を与える要素として7つ原則を挙げ、一つずつ章ごとに説明していきます。

自分自身の経験に照らし合わせながら読むと「なるほどなぁ…」と思うことが沢山あり、最後まで楽しく読むことができました。例えば、茶葉の販売イベント(ルピシアのグラン・マルシェ)では、入場時にセンスの良い記念品がもらえるのですが、これは本書で言う「Reciprocation」の原則(他人に何かしてもらった時にはお返しをしたくなる人の性質)を期待していることが分かりますし、イベント会場のみの限定商品を用意するのは「Scarcity」の原則(手に入りにくいものはきっと良いものだろうと思う人の性質)を期待していることが分かります。また、「一番人気」や「売上第一位」との表示は「Social Proof」の原則(皆が良いと言っているものはきっと良いものだろうと思う人の性質)を、「バイヤーお勧め」との表示は「Authority」の原則(専門家が良いと言っているものはきっと良いものだろうと思う人の性質)を期待しているだと思います。

著者のRobert Cialdini氏は、人がそれらの7つの原則を使って意思決定すること、人がそれらの原則を使って相手の行動を促すことは非難しておらず、それらの原則を使おうとして「嘘をつく」ことを厳しく非難しています。上記のルピシアの例で言うと、もし仮に、イベント後にもお店で販売する予定にも拘らず「イベント限定」とうたって販売したら、それは厳しい非難に値するでしょう。これだけ情報が溢れかえる世の中になり、人がそれらの7つの原則を使わずにすべての意思決定を行うことは不可能なので、それらの原則を悪用することを決して許してはならないと強く主張しております。

洋書としては、具体的事例が豊富で読み易いと思いますが、なにせ400頁以上もあるので、読み終わるのに4ヶ月もかかってしまいました。途中で飽きることはありませんでしたが…

邦訳はこれかな?

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