« 2022年2月 | トップページ | 2022年7月 »

2022年4月

2022年4月23日 (土)

NO RULES RULES / NETFLIX and the Culture of Reinvention

Amazonへのリンク

NETFLIXの創業者の一人で現CEOのReed Hastings氏と、ビジネススクールの教授であるErin Meyer氏の共著です。NETFLIXが、イノベーションを起こし続ける為に、どのような企業文化を大切し、その企業文化を維持・強化する為にどのような方策をとっているのか、従業員に対するインタビューを交えながら具体的に分かりやすく説明しています。

2年くらい前に、NETFLIXのもう一人の創業者であるMarc Randolph氏の著書"That Will NEVER Work"を読み終わった後に、Reed Hastings氏の本(本書)が出版されているのを知って、いつか読みたいと思っていたのですが 、やっと読むことができました。

NETFLIXの企業文化は、ざっくりと言うと…

1 優秀な人材しかいないチームを作る。

2 常日頃から、お互いに率直に意見を言い合う。

3 現場の判断に任せる。

の3つに集約されるようです。そして、どれか一つでも欠けると機能しないとのこと。

上記1の文化を実現するためには、報酬は業績連動型にしない、優秀な人材に対してはマーケット以上(他社以上)の報酬を支払う、社内で成績の順位付けをしない、優秀とまでは言えない人材に対しては十分な退職手当を支払って去ってもらう、等の方策をとっています。

上記2の文化を実現するためには、定例会議でフィードバックの機会を設ける、有用な意見交換になるようフィードバックの仕方についてガイドラインを定める(4A : Aim to Assist, Actionable, Appreciate, Accept or Discard)、リーダが率先してフィードバックを求める、できるだけ多くの情報を従業員に開示する、年に1、2回は時間をかけてお互いにフィードバックし合う機会を設ける、等の方策をとっています。

上記3の文化を実現するためには、休暇の取得、経費の支出等について承認不要とする(忙しい期末は避ける、費用対効果を考慮する等、最低限の方針はチーム毎に話し合って決めておく)、自ら決断する前に他のメンバーと意見交換することを求める(但し、上司の顔色を伺うようなことはしない)、会社・部門の目標・戦略をメンバーに明確に伝える、等の方策をとっています。

正直な感想として、普通の会社で上記のような文化・方策を採用するのはちょっと難しいだろう、やり過ぎになってしまうだろう、と思いました(特に上記1)。また、上記のような文化・方策を日本で実践するのは、労働法制、文化等の違いがあるのでなかなか大変だろうと思いました。日本では、既存の会社というよりはスタートアップ等で採用・実践すると良さそうですね。

最後の10章(Bring It All to the World!)では、上記の企業文化を各国の従業員に共有してもらう為にどのような工夫をしているか記載されているのですが、その前提として「NETFLIX(アメリカ寄り)の文化・傾向」と「各国(日本含む)の文化・傾向」との違いがグラフ等で分析されていて、なかなか興味深かったです。1章から9章までは、読んでいて「とても良さそうな企業文化だけど、NETFLIXだからこそ実現できるんだろうなぁ…」という気持ちになりがちだったのですが、この10章は「なるほど、異なった背景を持つ人とコミュニケーションする時に役立ちそう」と思えて、とても参考になりました。

洋書としては、それほど難しい単語がなく、比較的易しい文章で書かれているので、とても読み易かったです。従業員のエピソードも沢山ちりばめられていて、読んでいて面白かったです。NETFLIXに少しでも興味のある方であれば、楽しく読めると思います。

ちなみに、邦訳はこちら

« 2022年2月 | トップページ | 2022年7月 »