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2022年2月

2022年2月10日 (木)

BORN A CRIME - Stories from a South African Childhood

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この本も、出版された頃(2016年)から読みたいと思っていたのですが、やっと読むことができました。

著者(Trevor Noah)はコメディアンで、1984年、まだアパルトヘイト(人種隔離政策、1994年廃止)が廃止される前の南アフリカで、黒人の母親と白人の父親の間に生まれます。本書では、著者の子供時代から青年時代にかけての出来事を、母親(Patricia Nombuyiselo Noah)との関りを軸に描いていきます。

著者の母親は、アパルトヘイト廃止前後の混沌とした社会にあっても自ら人生を切り開いていこうとする、芯の通った強い方だったようで、その母親の愛情を受けて著者が逞しく成長していく過程が、ユーモアを交えながら描かれており、読んでいて楽しかったです。特に、黒人でも白人でもない微妙な立場を、自らの知恵・知識をフル活用して乗り切っていく著者の姿には、思わず拍手を送りたくなりました。ただ、著者は、走行中のバスから母親と一緒に飛び降りたり、万引きが見つかって警察に捕まりそうになったり、CDを違法コピーして稼いだり、他人の車に無断で乗って刑務所に入れられそうになったり…ちょっと冷静に考えると、なかなか恐ろしい出来事が多いです。

本書では、どんな辛い出来事も、コメディアンらしく笑い飛ばしている感じがするのですが、最終章「18 MY MOTHER'S LIFE」だけは少し調子が違いました。母親の再婚相手(Abel)は、普段はまあ良いのですが、お酒を飲んだ時には抑制が効かなくなって家庭内暴力を行い、それが次第に悪化していきます。警察を呼んでも、家庭内の出来事には介入してくれず、状況はひどくなるばかり。母親の後押しもあって、著者は家を出て、なかなか逃げられなかった母親もついに家を出て再婚するのですが、Abelは著者の母親を殺そうと銃口を向け…

アパルトヘイト廃止前後の南アフリカの状況が、著者の目を通して生き生きと描かれていて、興味深く、楽しく読んでいたのですが、最終章だけは読んでいて辛かったです。その最終章で描かれている、家庭内暴力(DV)のもたらす事態の深刻さ、悲惨さが、とても印象に残りました。描かれているの南アフリカでの出来事ですが、テレビ、新聞等でしばしば報じられているとおり、アメリカでも日本でも同様な出来事は続いているので、早くこのような悲劇が無くなる、防げる世の中になって欲しいと改めて思いました。

洋書としては、思っていたよりも単語が難しくて少し手こずりましたが、話が面白いので、読み進めていくのが楽しみでした。広くお勧めできる本だと思います。

邦訳はこちら

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