12 Rules for Life: An Antidote to Chaos

アメリカで売れているようで、タイトルにも魅かれて読んでみました。
臨床心理学者である著者のことを知らなかったので、「変化の速くなってきている現代においては、本書にあげた12のルールを心がけるといい」ぐらいの、自己啓発の本かなぁ…と思って読み始めたのですが、見事に裏切られました。「生きるということは、本来的に変化・混乱・苦しみを伴うものであり、それらの変化・混乱・苦しみと停滞・安定・平穏との微妙なバランスをいかに保っていくかが大事である」という考えの元、300頁以上にわたり深い思索が展開されていきます。旧約聖書、道教、ナチズム、マルクス主義、フロイド、ユング、アドラー等々、正直、私の知的レベルを超える話がいっぱい出てきて、読むのにかなり骨が折れました。
挙げられている12のルール自体は、以前にご紹介した"DON'T SWEAT THE SMALL STUFF...and it's all small stuff"のように、シンプルで覚えやすいものなのですが、著者がそこに辿り着くまでの過程がなかなか難解で、理解するのに苦労しました。読んでいると、内容が各章のタイトル(12のルールの一つ)と章の頭に添えられている親しみやすいイラストからどんどん離れていくので、著者の言っていることが本当に理解できているのかかなり不安になってきますが、章の最後の方で章のタイトルにつながっていきます。
12のルールを挙げておきますと…
Rule 1: Stand up straight with your shoulders back
あなた体の動きは、あなたの感情や精神に影響を与え、他の人たちの反応にも影響を与える。
Rule 2 Treat yourself like someone you are responsible for helping
あなたは他の人達にとって重要な存在だし、世界の行く末にも影響を与えている。自身をぞんざいに扱ってはならない。
Rule 3 Make friends with people who want the best for you
謙虚さと勇気を持って、自分に期待してくれる人の傍に立とう。
Rule 4 Compare yourself to who you were yesterday, not to who someone else is today
人生は人それぞれ違うのだから、他人と比べてばかりいても仕方ない。毎日、少しづつでいいから、自分の人生をより良くする方法を見つけよう、実行しよう。
Rule 5 Do not let your children do anything that makes you dislike them
親には、世の中で生きていくための最低限のルールを子供に教える責任がある。
Rule 6 Set your house in perfect order before you criticize the world
すべきでないとうすうす感づいていることは、今すぐ止めよう。
Rule 7 Pursue what is meaningful (not what is expedient)
世の中を少しでも良くすること、世の中の不必要な苦しみを少しでも緩和することをしていこう。
Rule 8 Tell the truth – or, at least, don’t lie
ちょとした嘘(偽り、真実を言わないこと)が積み重ねられ、いずれ大きな災いになる。
Rule 9 Assume that the person you are listening to might know something you don’t
自分の知識は、常に不十分、不完全なもの…
Rule 10 Be precise in your speech
起きている問題を曖昧なままにせず、明確に把握し、的確に整理し、適切に解決する為に、注意深く、正確に話そう。
Rule 11 Do not bother children when they are skateboarding
男女それぞれ気性に傾向はあるし、それは自然なことである。男の子がタフに、強く、逞しくなろうとしているのを邪魔してはならない。
Rule 12 Pet a cat when you encounter one on the street
苦しい時でも意識して、ひと時の安らぎ、喜びを見つけよう。そうすれば、きっとやっていける。
私にとっては、一文が長く難解で(どこで切ったらいいのかパッと分からない)、単語も難しく(初めて見る単語が沢山)、読むのがなかなか大変でしたが、様々な、自分にはなかった新たな視点を得ることができました。議論呼びそうな論点も多く(特にRule 11)、万人にお勧めできるとは思いませんが、苦労して読む価値のある、知的好奇心を刺激される良い本だと思います。
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