Reinventing organizations

「ティール組織」という組織論の本が話題になっており、面白そうだったので原書で読んでみました。
本書では、これまで時代に合わせて、どのような組織がどのような順番で生まれてきたのか、次のような区分・順番を紹介した上で、これからの時代に求められる組織について考察しております。
1 Red Organizations
リーダーが、圧倒的な権力や恐怖でメンバーを統率する組織。具体的には、マフィア、ギャングなど。
2 Amber Organizations
ピラミッド型の階層化された組織で、各人の役割は所属する部門によって固定化され、上の階層からの指示や規則は絶対とされる。このことにより、「1 Red Organizations」に比べて組織は大規模化し、中長期的なプロジェクトに取り組むことが可能になった。具体的には、カトリック教会、軍隊、政府組織など。
3 Orange Organizations
基本的にはピラミッド型の階層化された組織だが、「2 Amber Organizations」よりも部門間の垣根は低くなり、プロジェクト・チームを編成する等、柔軟な組織運営が行われるようになる。各部門は、上の階層から与えられた目標(値)に向って動き、その達成度合いにより評価される。効率性・合理性が最優先とされ、現状を改善する為に創意工夫が行われるようになる。民間企業において現在主流となっている組織。
4 Green Organizations
「3 Orange Organizations」の組織構造を残しつつ、大部分の決定権を最前線の部門に与えようとする組織。各人は、細かな規則や目標(値)ではなく、組織で共有された固有の価値感・文化を尊重して主体的に動くことになる。従って、リーダーの主な仕事は、自ら決定をすることよりも、各人のモチベーションやスキルを向上させることの方が重要になる。一部の民間企業、非営利組織等で実践されている。
5 Teal Organizations
本部機能が極めて小さい、フラット化されたシンプルな組織で、本部機能に決定権は殆どなく、ほぼ全ての決定権を最前線のグループに与えている。各人は、属するグループ内外の仲間の協力・助言を得ながら、組織の向うべき方向性を自ら考え、主体的に動く。また、各人の役割は、状況に応じて柔軟に変更される。従って、リーダーの主な仕事は、フラット化した組織が上手く回るような仕組みづくりが中心となる。実践している組織はまだ少ないが、大きな成果を出している組織もある。
著者は、利益や物質的な豊かさの追求がもたらした様々な問題(地球温暖化、化石燃料の枯渇、貧富差の拡大、働く意味への疑問等々)に直面している世界の現状を鑑みると、現在、世の中の主流になっている「3 Orange Organizations」では明らかに限界が来ており、これらの困難な問題を解決できる可能性があるのは「5 Teal Organizations」であると考えています。そして、その具体的な実践方法(採用、勤務形態、人事評価、会議、意思決定、トラブル解決、情報共有等の方法)について、主に「3 Orange Organizations」の実践方法と比較しながら紹介・提案しています。
個人的には、著者の提案する「5 Teal Organizations」の理念とその実践方法には共感できる点が多かったのですが、自分の勤務先は「2 Amber Organizations」の面影が残る「3 Orange Organizations」だと思いますので、そこで実践していくのはなかなか難しいと感じております。それでも、自分の属する部門内で、可能な範囲で実践していければいいなぁ…と思っております。
原書が出版されたのは2014年で、少し前になるのですが、内容に古さは感じませんでした。後半、少しだけ冗長な感じがしましたが、「5 Teal Organizations」の具体的事例(具体的な会社)が沢山取り上げられており、また文章も分かり易くかかれており、比較的読み易かったです。これからの組織のあり方に興味がある方には、お勧めできる本だと思います。
ちなみに、本書で「5 Teal Organizations」の例として取り上げられている、オランダで訪問看護事業を行うBuurtzorgについては、日本で保育園を運営しているNPO法人フローレンスが訪問して記事にしておりますので、参考になるかと思います。
https://florence.or.jp/news/2019/04/post31322/
また、本書の日本語訳はこちらになります。
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