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2017年8月 5日 (土)

読みました(教育・ノンフィクション) ~ Becoming Brilliant

7年前くらいに読んだ"Einstein Never Used Flash Cards"(2003年)の著者が、昨年、新しい本を出していたことを知って、早速読んでみました。

本作では、"Einstein Never Used Flash Cards"で強く主張していた「自ら進んでやる遊び(Play)を通じて、子供は生きていく力を身につけるのである(Play = Learning)」との考えを根底におきつつ、これからの変化の早い世の中を生きていく子供達にとっては、単に知識を詰め込むだけではなく、次のような6つの能力(Soft Skills, 6Cs)を伸ばすことがより大事であると主張しています。そして、そのような能力を伸ばす為に我々大人はどうしたらよいか、具体的に提案をしています。

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1 Collaboration

まずは、自分自身の行動・気持ちをコントロールできるようになり、更には、お互いに助け合うことができるようになり、最終的には、お互いを信頼・尊重して、共通の目的に向かって協同することができるようになること。

(この能力を育てるためには、例えば…)

子供と一緒にキャッチボールをする。家族皆でボードゲームをする。お手伝いをしてもらう。ブラスバンドやサッカーチーム等の課外活動に参加させる。

2 Communication

相手の考え、気持ち等をある程度理解して会話等のやりとりができるようになった上で、最終的には、相手の考え、気持ち等を正しく理解して、自分の考え、意見等を簡潔に、的確に、丁寧に伝えられるようになること。

(この能力を育てるためには、例えば…)

スマホ等を脇に置いて、まずは子供の話をよく聞く。その上で、子供に広がりのある(決まった回答の無い)質問をする。5回以上のやりとりはしたいところ。小さい子であれば、ごっこ遊びを沢山させる、又は一緒にする。子供がテレビやスマホを見る時間を制限する。

3 Content

自分の持っている個々の知識を結びつけて何か新しいことに取り組むことができるようになり、最終的には、ある分野での専門性を更に高めて、これまでの知識(常識)を改善・修正できるようになること。

(この能力を育てるためには、例えば…)

子供と一緒に本を読んだり、宿題をしたりしながら、学んだ知識を子供の日常生活と結びつけて話を膨らませる。子供と公園に行って草木を観察したり、草木で何か描いたり作ったりする。楽しめるようだったら、キャンプやワークショップに参加させて、新しい経験をさせる。楽しく、興味をもって学べる環境・機会を出来るだけ沢山作る。

4 Critical Thinking

自分や他人の意見・方法等に対して疑問をもつことから始まり、世の中には自分と違う意見・方法等があることを理解するようになり、最終的には、様々な意見・方法等のうちどれがより優れているか、その根拠を確認しながら判断できるようになること。

(この能力を育てるためには、例えば…)

子供に興味がありそうな本を沢山読ませたり、様々な話をしたりして、世の中にはいろいろな考え方があることを知ってもらう。子供が質問してきたら、分かり易く答えるだけでなく、時々「どう思う?」と聴き返してみる。

5 Creative Innovation

得意分野において、豊富な知識を使って自分らしいユニークなものを生み出せるようなった上で、最終的には、他の分野にも影響を及ぼすような、世の中の問題・課題に対する新たな解決策を生み出せるようになること。

(この能力を育てるためには、例えば…)

子供に不要になった箱や布やガラクタを自由に使わせる(部屋はかなりちらかりますが…)。できるだけ自由に遊ばせて、なるべく口を出さない。美術館、博物館、音楽会、演劇等に行くのも、創造性を刺激するのでいい。

6 Confidence

新たなことを行うメリットとリスクを検討した上で、ある程度リスクをとって挑戦することができるようになり、最終的には、自分の能力を超えたことに対しても、失敗から学びながら、何度もチャレンジできるようになること。

(この能力を育てるためには、例えば…)

子供に対しては、成果ではなく「努力(過程)」を褒める。子供が何か失敗してしまったら、怒るのではなく、何が起きたのか訊いて、次に失敗しない為にはどうしたらよいか冷静に考えさせる。もし子供に好きなことがあれば、それを一杯やらせる。多少難しいことでも、できるだけ口出ししないで、子供に任せてみる。

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これら6つの能力は、お互いに関係しているので、それぞれをバランス良く伸ばしていく必要があります。また、子供は親をよく観察して学んでいるので、親自身も、これら6つの能力を伸ばしていくよう努力しなければならない(共に学んでいかなければならない)とのことです。子供に言うだけでは駄目ということですね…

正直な感想としては、これらの6つの能力すべてを最終的なレベルにまで引き上げるのは大変だと思います。ただ、方向性としては、知識偏重の教育に警鐘を鳴らす著者の考え方に同意できるので、目標として頑張っていければいいかと思っています。

本作も、様々な調査・観察・実験等を踏まえて分かり易く書かれており、最後まで興味深く読むことができました。但し、文章が少し固く、単語のレベルも私にとってはちょっと難しかったので、読むのに多少骨が折れました。

また、Walter Mischel氏の"Marshmallow Test"Elena Bodrova氏等の"Tools of the Mind"Angela Duckworth氏の"Grit Scale"等も出てきて、今まで読んだ本との関連性も分かり、より理解を深めることができました。

日々の子育てに役に立ちそうなアドバイスが沢山載っているので、この本も、特に子育て中の方にお勧めできると思います。本作も、そのうち邦訳が出るかな?

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