読みました(洋書/ノンフィクション) ~ Teacher Man
Frank McCourtの「Angela's Ashes」と「'Tis」が面白かったので、続けて3作目の「Teacher Man」も読んでみました。McCourt氏が70代の時に出版された本です。
本作は、著者の英語教師としての経験を主に綴ったものになります。著者はNew Yorkで、5つの高校(専門高校、エリート校等)と1つのコミュニティ・カレッジで英語や作文を教えてきたのですが、どの場所でも、生徒達の興味を起こさせようと、試行錯誤しながら型にとらわれない授業をしていきます。
例えば…専門高校では、やる気のない生徒達を相手に、親から提出されることになっている遅刻・欠席の理由書(実は、親が書いてくれないので、生徒自身が想像力豊かに代筆している…)を題材に授業をしています。自分が親になったつもりになって、想像力豊かに遅刻・欠席の理由書を書いてみたり、さらに推し進めて、アダムとイブの神様に対する弁解書を書いてみたり、なかなか面白そうです。
例えば…エリート校では、詩の代わりに、料理本を題材に授業をしています。気に入った料理の材料や作り方を朗読してみたり、フルートやオーボエやギター等による伴奏をつけて朗読してみたり、こちらもなかなか面白そうです。
「Playing = Learning」という、よく言われていることだけど、なかなか実践できないことを、著者は試行錯誤しながら直感的に実践してきたのだなぁ…と思いました。
また、著者が素のままで生徒達と向き合っている、自分の経験、気持ちを生徒達に率直に伝えているのも印象的でした。知らないことは知らないと正直に言うし、自分も生徒達から学ぼうとしているし、あまり偉ぶっていないし…生徒達も、そのような著者だからこそ、生身の人間として共感できたのではないかと思いました。McCourt氏のような先生ばかりだったら、それはそれで収拾がつかなくなって大変そうだけど、こういう型にはまらない先生がもっといたらいいのになぁ…と思いました。
長い教員人生の中では、うまくいかないこと、生徒達と意思疎通できないことも一杯あったようですが、生徒達と共に深く学ぶことのできた、心を通わすことの出来た瞬間も一杯あったようで、著者はその思い出をとても大切にしているように感じました。
McCourt氏は、教師なんかやっていられないと思っている時もあるし、自分の人生について常に迷い、あがいているし、博士号の取得には失敗するし、結婚生活もうまくいかないし、皮肉屋だし、不器用だし、充実した人生なんて言葉からは程遠いように思うのですが、そうだからこそ、この自伝がとても魅力的になっているし、深く共感できるのだと思いました。
前2作と同じく、私にとっては単語も文体も難しかったのですが、一つ一つの生徒達とのエピソードが個性的、印象的で、最後まで飽きることなく読むことができました。前2作を面白く読んだので、もうそろそろ飽きてくるかなぁ…と思っていたのですが、そのようなことは全くありませんでした。相変わらず、子供には読ませられないような表現が多々出てきますが…
「なかなか、スマートに、要領よくは生きられないけど、それでも頑張って日々を過ごしていこう。」そう思わせてくる本でした。
最後に、覚えておきたいと思った文章をいくつか…
You don't have to respond to every stimulus.
I don't think anyone achieves complete freedom, but what I am trying to do with you is drive fear into a cornor. (F→F / from FEAR to FREEDOM)
...it is the business of the young to push the old off the planet.
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