アイリッシュ・フルートを始めて、もう、かれこれ15年以上になるのですが、初めに吹き方をきちんと習わなかったせいもあって、未だによくスランプに陥ります。
特に、きちんとした音が出なくなると、本当に落ち込みます…
という訳で、スランプから早く脱出できる為にはどうしたら良いか、あれこれ考えたことを書いてみました。
<いつも気をつけること>
⇒まず、唇を歌口に当てる前に、唇を軽く引き、その上で唇の中心部分を緩め、息がしっかり出る、息のスピードを自在に変えられるアンブシュアを作る。
⇒気持ち上唇が下唇に被さるようにして、息の通る道をしっかり確保する。上唇を被せる時は、真ん中だけでなく、もう少し幅広く被せて、息の通る道を確保する。下唇は突き出さないように、上唇よりも「すぼめる」感じで(僅かに下の歯に巻き込む感じ)。
⇒音を出す前に、必ず上唇も下唇も軽く引き、歌口に狙いを定めて息を出す。高い音を出す時は、少し引きを強める。唇が引けていないと、音が悪くなる。
⇒歌口は内側に向け過ぎず、気持ち外側に向けるよう気をつけて、唇に当てる。
⇒歌口を下唇のどの辺りに当てるかが重要。いい位置よりちょっと下だと高音がきれいに鳴らないし、ちょっと上だと高音と低音との移動がスムーズに出来なくなる。高音も低音も楽に音が鳴らせる場所を探ること。
⇒「今日は、うまく息が歌口に入っていかないなぁ…」と思うと、息を入れようと、あごを引き、歌口をより内側に向けようとしてしまいがちだが、逆。あごを軽く上げ(正面を向き)、歌口を若干外側に向けたほうが、息が下に行き易く、歌口に入り易くなり、いい音になる
。
⇒クリアな音色がうまく出せない(どうしても音がかすれる)時は、息がうまく下方にいく(顎の方へ吹き下ろせる)アンブシュアを意識すると、改善することがある。うまく修正できれば、音色が改善するだけでなく、息も長くもつようになる。
⇒脇は締めない。少し脇を空けた方が、肺に息が入り易くなり、高音がいい音になる。
<症状:低い音が殆ど鳴らない。>
⇒音孔をきちんと塞げていないことが多いので、きちんと塞ぐよう気をつける。ただ、指に音孔の跡がくっきりついていたり、指が疲れていると、頑張ってもきちんと塞げないこともあるので、その場合はしばらく休む。(指が短いので、将来的には、音孔の小さなフルートを試してみる予定。)
⇒十分な息が出ていないこともあるので、その時は、下の歯と下唇の間に僅かな空間(薄い空気の膜)を作るような気持ちで、たっぷりと息を出す。これは、高音で大きなしっかりした音を出す場合にも言えるかも…
⇒疲れていたり、眠かったり、既に吹き過ぎで息が出なくなっている場合には、早めに諦めてしばらく休む、寝る。
<その他…>
⇒息を出すときは、「口から息を出す」「お腹から息を出す」というよりは、「喉から息を出す」ことを意識した方が、しっかりした音が鳴る、音が安定するような気が…
⇒セッションでセットを吹き切る為には、常に下腹に少し力を入れて安定させる必要があるようだ…特に息継ぎをした直後に下腹の力が抜けてしまわないよう留意する必要がありそう…
⇒良いアンブシュア等が作れていれば、低音から高音まで、軽く吹いただけでよい音が鳴るはず。そんなにしんどくはならない…
⇒頑張って息を強く出しても音量が出ない、響かない時は、逆に、力を抜いてゆったり吹いた方が、音が響いてくれることが多いと思う。
⇒セッションでフルート吹きが多いと、自分の音が聞こえなくなる時がある。そんな時は、もっと大きな音を出そうと頑張るのではなく、力を抜いて音量を落とし気味にして、擦れの少ない芯のある音で吹いたほうが、自分の音が聞こえるようになるようだ…
⇒Long Fを使う時は、左手薬指を伸ばしきらないで若干緩めた方が、左手小指をコントロールしやすい。
⇒上のEは音がひっくり返り易いので、あまり強く吹かない。
⇒上のBを吹く時は、音が悪くならないよう、右手の薬指をしっかりあげること(支えに使わない!)。
⇒Dの「ダブルストップ」や「クラン」は、前半のカットは軽めにして(指をそれほど上げないで)、拍にはめる最後のカットだけしっかりと装飾した(指をしっかりと上げた)方が、曲の流れを阻害しないと思う。
⇒High Cのキーを早めに放してしまいがちなので、次の音に移るまでしっかりとキーを押さえておくこと。
⇒一人で吹く時は、のっぺりとした演奏にならない為に、ある程度リズムを強調した吹き方が必要だと思う。一方、セッション等で他の人に合わせる時には、リズムをそれほど強調せず、音程等により気を遣った吹き方をした方がいいと思う。
⇒セッションで自らセットを出す時は、上記の2つの吹き方を臨機応変に使い分ける。私のように体力、肺活量のない人は、他の人達が引っ張ってくれている時に少し力を抜いた演奏をして体力を温存し、次の曲に備えることも大切だと思う。