Lachenalにもいろいろあります…
この間はJeffriesのコンサーティーナについての記事を書いたので、今回はLachenalのコンサーティナについて書いてみます。
CONCERTINA.netの記事によりますと、Lachenalは1850年から1936年までコンサーティーナの製作を行っていたようです。Jeffriesのような上位機種ではなく、沢山の中位機種を製作していたようです。
Lachenalにもいろいろあるようですが、凡そ次の3種類に分けられるかと思います。
※アイルランド音楽で最も使われる、30キー、C/Gのアングロ・コンサーティナを念頭においています。
※価格はあくまで目安です。Barleycorn ConcertinasのHPを参考にしています。
※画像は CONCERTINA.net、Button Box、Box Place、Irish Musik、Hobgoblin から持ってきました。
1 マホガニー・エンド
(ブラス・リード £650~/スチール・リード £1000~)
現在でも、比較的お手頃な価格で沢山出回っている、側面の材質がマホガニーの楽器です。
楽器のレスポンスはあまり良くないと思いますが、アンティークのコンサーティーナ・リードの楽器らしい、味わい深い音色がするかと思います。
(£1800~£3000/状態による)
この、側面の材質がローズウッドの楽器も、中古市場に沢山出回っています。
マホガニー・エンドのものに比べて、エンドの模様が複雑になっています。
状態にもよるのですが、この楽器になるとリールにも十分対応でき、セッションでも使えると思います。装飾音を入れたりするのが少し大変かと思いますが、上手い人はこのレベルの楽器を弾いても、装飾音をきちんと入れてきます(私には無理…)。
また、修理屋さんのGregさんによると、初期の頃の楽器は、後期の頃の楽器に比べてリード・パン(reed pan)がより内側にセットされている(=chamber wallがより高い)そうで、どうも反応が少し鈍くなるようです。
(一番下の楽器は、かなり前に私が弾いていたLachenalです。ダブリンで購入。)
3 メタル・エンド
(£1800~£3000/状態による)
側面の材質が金属の楽器です。感覚としては、ローズウッド・エンドの楽器よりも中古市場に出回っている台数が少ないかと思います。
メタル・エンドの楽器の方がローズウッド・エンドの楽器よりも弾きやすい(反応が良い)、ということはないと思います。リードの品質も含めて、ほぼ同等のようです。
⇒上記のようにエンドの模様がシンプルなものは、価格が安くなる傾向があります。
⇒一つ上の楽器よりも、少しだけですが模様が洗練されていますね。
⇒上記のようにエンドの模様が複雑なものは、価格が高くなる傾向があります(ローズウッド・エンドよりも高くなる傾向あり)。
<番外編 Jeffriesタイプ>
このタイプの楽器は、ほとんど見かけることはないと思いますが、最近入手したのでご紹介いたします。少しマニアックです…
Lachenalは、普通はキー配列がWheatstone配列で、リードは放射状に並んでいます。しかしこの楽器は、Lachenalにも拘わらず、キー配列がJeffries配列で、リードは平行に並んでいます。
メタル・エンドの模様もJeffriesと同様です。
状態の良いJeffriesに比べると、やはりリードの反応やキーの動きは劣りますが、以前弾いていたローズ・ウッドのLachenalやWheatstoneよりも弾きやすいと感じました。
この楽器は、Lachenalが製作を止める前の数年間だけ製作された特別なモデルとのことで、中古市場には殆ど出回っていないようです。Lachenalの中では一番良いモデルとのこと。
Jeffriesと(普通の)Lachenalでは、品質面でも価格面でもかなり差があるので、その中間に位置する楽器としてとても興味深いです。個人的には、音色がとても気に入っているので、最近はこの楽器ばかり弾いています…
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