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読みました(洋書/ノンフィクション) ~ TOP DOG

3月の紀伊國屋 梅田本店「洋書大バーゲン」で見つけて購入した本です。昨年読んで興味深かった"Nurture Shock"の著者、Po Bronson & Ashley Merrymanの2013年の著作です。

タイトルの"TOP DOG"とは「勝者」「リーダー」といった意味だと思いますが、「勝者」になる人の特性について、様々な観点から考察している本だと思います。

各人が能力・創造性を最大限発揮するためには、全体としては、競争することが効果的であるとした上で、どのように競争するのが良いのか等について、実験や生理学の知見(各種ホルモンの役割)等に基づき述べられています。(但し、競争させることによって、能力が発揮できなくなってしまう人もいるので、注意が必要!)

・能力差が大きい人を競わせると、能力の低い人が、勝つ可能性が見えなくて能力を発揮できなくなるので、能力が拮抗している人を競わせる方が効果的である。 

・あまりに沢山の人の中で競わせると、自分が勝つ可能性が見えなくて能力を発揮できなくなるので、少数で競わせる方が効果的である。

・競争においては、一般的には、落ち着いた(心が平静な)状態が一番能力を発揮できると考えられているが、実際には、ある程度プレッシャー(ストレス)があった方が、より能力を発揮できる人も沢山いる。重要なのは、各人にはそれぞれ、能力を発揮するのに最適なプレッシャーのレベルがあるということである。プレッシャーには利点もあることを理解して、プレッシャーを無闇に恐れずに、競争に望むことが大切である。

・プレッシャーに弱い人でも、プレッシャーのかかった状況を何度も経験し、慣れることにより、プレッシャーの下でも素晴らしい能力を発揮できるようになる。

・男性の場合は、ある程度外からプレッシャーをかけた方が、競争において能力をより発揮できることが多い。一方、女性の場合は、外部からプレッシャーをかけなくても、既に相当程度のプレッシャーを感じていることが多いので、落ち着かせて、冷静に考えさせることの方が大事である。

・男子の場合は、自分の実力以上の学校に入ると、能力が劣っていると認めたくない為、他の人に訊いたりすることができず、更に落ちこぼれてしまう傾向がある。一方、女子の場合は、自分の実力以上の学校に入っても、比較的他の人に訊いたりすることに抵抗がないため、能力の高い周りの人に引っ張られて、自分の能力も向上する傾向がある。

・下の子は、家の中で(自分よりも能力の高い)上の子と争うことに慣れているので、家の外に出た時に、プレッシャーに負けずに積極的に競争できることが多い。

・小さい時に、怪獣ごっこや、枕投げや、追いかけっこ等の「ばか騒ぎ」を沢山経験しておいた方が、将来、プレッシャーのある環境でもうまく対処できるようになるようだ。特に、そういう「ばか騒ぎ」をする機会の少ない女の子にとっては、大きな意味をもつだろう。

・プレッシャーのかかる状況では、「失敗しないように…」と思って勝負をすると、かえって更なる失敗を招くことになるので、気持ちを切り替えて「勝とう!」と思って勝負しなくてはならない。競争を「脅威」ではなく「チャレンジ(能力を発揮する機会)」と捉え直す必要がある。

・「自分は素晴らしい!」というポジティブな考え方が、必ずしも競争に勝つことにつながる訳ではなく、むしろ、自分の失敗を厳しく反省する人の方が競争に勝つ傾向がある。反省する際には、失敗を嘆くだけでなく、何が自分に足りなかったのかを考え、次の機会に生かすことが重要である。

・「怒り」は、否定的に捉えられがちであるが、その「怒り」をコントロールできれば、競争に打ち勝つ原動力となる。

・各人の能力がより発揮される「チーム」もあれば、各人の能力が発揮されなくなってしまう「チーム」もある。各人の能力がより発揮される、競争力のある「チーム」を作る為には、メンバー数を絞って、お互いを信頼できる環境を作る必要があるが、それは「チーム」が結成された初期の段階でほぼ決まってしまう。また、各メンバーの役割分担、上下関係を明確にすることが効果的な場合も多い。

・我々は、勝ち負け(成功失敗)を繰り返しながら成長していく。また、長い人生において、反射的にすべての競争に参加していてはエネルギーが枯渇してしまうので、賢く競争する場面を選んだ方がいい。

「競争」というと、反射的に「弱者切り捨て」「利己的」といったネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、我々が能力・創造性を伸ばす為には欠かせないという、ポジティブな面があることを改めて認識させられました。何事もバランスが大事なのだと思います。

本書も、前作の"Nurture Shock"同様、少しまとまりがない感じは否めませんが、いろいろと気付かされる箇所が多く、最後まで興味深く読むことができました。所々(ホルモンの役割について述べた箇所など)、読むのに骨が折れる箇所もありましたが、事例が豊富なので、全般的には読みやすかったです。

邦訳も出ているようですね。↓

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