コンサーティーナを修理(1951年製 Crabb)
第二次世界大戦後の時代(1950、1960年代)のコンサーティーナでは、Wheatstone製が沢山出回っておりますが、この時代のWheatstoneはリードの形が独特で調整が難しそうなので、まだ手を出せずにおります…
先月、eBayを見ていたら、珍しくこの年代のCrabbが出ていました。Crabbは、この年代でも一般的なコンサーティーナ・リードを使っていたことを思い出し、値段もそこそこだったので、思い切って購入してみました。(円安で、ちょっと辛かったですが…)
1900年頃のCrabbは、Jeffriesに匹敵するハイエンドの楽器を製作しておりました。1950年代のこのCrabbはどうかなぁ…と思っていたのですが、やはり値段相応の品質でした。以前弾いていたLachenalに近いものがあるかなぁ…と思いました。
この楽器も、ご多分に洩れず、いくつか反応の悪い音がありましたので、久しぶりに、本格的(?)に修理をしてみました。
1 空気漏れの解消(リード部屋の密閉化)
各リードは、2枚1組(押し引き)で、一つの小部屋(区切られた空間)に収まっているのですが、この小部屋に隙間があると、そこから空気が逃げてしまい、リードの反応が悪くなります。
ということで、今回は、フェルト(赤)でその隙間を埋めてみました。この処置をすると、大分リードの反応が良くなります。
リードの微妙な反り具合によって、反応や音量が変わってきます。また、高い音のリードと低い音のリードでは、反り具合が微妙に違ってきます。
Tuning Bellowsを使いながら、経験と勘で反りを調整していきます。反応が大幅に改善することは少ないですが、少しでも弾きやすい楽器にする為には必要な作業ですので、頑張りどころです。
3 チューニング
音程の大きな狂いから小さな狂いまで、計14枚のリードを、やすりで削ってチューニングしました。コンサーティーナは、このチューニング作業がとっても骨が折れます。沢山のリードのチューニングは久し振りだったのですが、何とか約半日で終えることができました。
4 ハンドストラップの交換
オリジナルのものが、経年劣化で屑がボロボロと落ちるので、家にある予備のものと交換しました。新品なので、まだ少し固いですが、弾いているうちに柔らかくなってくると思います。
楽器の状態を確認した時は、「1ヶ月くらいかけてぼちぼちと直そうかなぁ…」と思っていたのですが、ゴールデンウィークのお陰で2日間で終了しました。毎回毎回、修理は疲れますが、それ以上に楽しめます。達成感もあります。
この楽器も、しばらく弾いて楽しんだら、多分また売りに出すと思いますので、その時はよろしくお願いいたします。
m(_ _)m
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