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読みました(ノンフィクション) ~ 「<刑務所>で盲導犬を育てる」

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勤務先の広報部門が紹介していたので、早速読んでみました。「島根あさひ社会復帰促進センター」での「盲導犬パピー育成プログラム」について書かれております。

 

このプログラムでは、センター(刑務所)内で、訓練生(初犯の受刑者)が、点字点訳の実習と併せて、盲導犬候補の子犬たちを生後2ヶ月から10ヶ月間預かって、将来盲導犬になれるように育てることになります。本書では、訓練生の方々が、子犬との関わりを通じて少しずつ心を開き、自分(自信)を取り戻していく過程が、優しい言葉で描かれております。

 

「受刑者」という言葉からは、どうしても「怖い」というイメージが先行してしまいがちですが、実際には多くの方々が、止むを得ないような事情、同情すべき事情から罪を犯してしまったり、ちょっとした切っ掛けから歯車が狂って罪を犯してしまったりしており、実はとても真面目であったり、優しい心の持ち主だったりするようです。そうであるが故に、自分が罪を犯してしまったことで、激しい自己嫌悪に陥ったり、諦めの感情を抱いてしまったりするようです。

 

そのような人たちとって、このプログラムを通して子犬を世話すること、そして子犬の世話を通じて他の人たちと関わりを持つことが、再び前向きに人生を踏み出す、更生する(生き直す)ための大きな切っ掛けになっているようです。

 

一方で、刑務所の外にも目を向けてみますと、自己嫌悪に陥っていたり、諦めの気持ちを抱いていたりする人は沢山いるかと思います。そう考えると、このような取り組み(プログラム)は、刑務所の外(普通の社会)にも必要なのではないのだろうか…とも思いました。もしかしたら、会社にも…。

 

「岩波ジュニア新書」ということもあり、とても読みやすく、大人でしたら半日くらいで読み終わるかと思います。ノンフィクションとして、純粋に感動しましたし、「自分もいろいろ頑張らないとなぁ…」と励まされもしました。可愛らしい犬の写真も沢山載っていますので、ぜひ多くの人に読んでもらえたらなぁ…と思いました。

 

また著者は、「これらの人びと(本プログラムを修了した訓練生)の人生の物語については、いずれ別の本にまとめたいと思っています。」とも書いておりますので、楽しみに待っていたいと思います。

 

そして最後に、このような取り組みに勤務先が関与しているのは、やはり少し誇らしく思いました(自分は何にもしていませんが…)。

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