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読みました(洋書/ノンフィクション) ~ THE INFORMANT

先日、米国司法省(反トラスト局/Antitrust Division)の方の講演を聴いた時に紹介されていた本です。映画にもなっていますが、本の方が良いとのことだったので読んでみました。

主にリジンという飼料添加物をめぐる国際カルテル事件(同業者間での価格・販売数量の調整・密約)に関するノンフィクションです。

米国1社(ADM)、日本2社(味の素、協和発酵)、韓国2社(Sewon、Cheil)の計5社によるカルテル事件なのですが、そのうちADMの役員の一人(Mark Whitacre氏)がある事件を切っ掛けにFBIの協力者となります。FBIは、同氏の協力の下、カルテルが行われている会議をビデオ撮影・録音すること等により、証拠を集めていきます。そして、その証拠に基づき、司法省(反トラスト局)が家宅捜索に踏み切るのですが、その後、Whitacre氏が別の横領事件等に関与していることが疑われるようになり、その影響を受けて、カルテル事件の捜査も予想していなかった方向へと展開していきます。

本書は、当時の隠し撮りしたビデオや録音、各種文書、そして100人以上の関係者へのインタビューを基にして書かれたノンフィクションであり、当時の出来事や、関係者の人物像等が丹念に描かれていて、John Grishamの小説にひけをとらないくらい面白かったです。読んでいて「本当にノンフィクションなの?フィクションでは?」と思うくらいでした。

また、当時、Whitacre氏がJohn Grishamの"The Firm"の映画を観ていたこと、本事件の捜査中に、司法省(反トラスト局)が別のカルテル事件でGE(General Electric)に完敗していたこと等、個人的に興味深い箇所が沢山ありました。その他、FBIと司法省(反トラスト局)との意見対立や、司法取引における被告側弁護士と司法省(反トラスト局)との駆け引きも、読んでいて興味深かったです。

「カルテル」というあまり一般的ではない分野の事件を扱ったものですし、ページ数も500頁以上ありますので、なかなか手が伸びにくい本かと思いますが、思っていたよりもずっと面白く、当初はいつものペースで1ヶ月ぐらいかけて読み終えるつもりだったのが、話に引き込まれて2週間で読み終えてしまったくらいなので、お勧めできる本だと思います。

最後に、FBIが隠し撮りしたビデオがYouTubeにありましたので、以下にご紹介しておきます。

1993.7.13

1993.10.25

1994.3.10

1995.1.18

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