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読みました(洋書/フィクション) ~ WE ARE ALL COMPLETELY BESIDE OURSELVES

渡辺由佳里さんのブログ「洋書ファンクラブ」で紹介されていた、今年のブッカー賞候補作品です。

本書の主人公 Rosemaryは、5歳の時に姉(妹?)Fernがいなくなり、それから7年後に兄 Lowellもいなくなってしまい、家族がバラバラになってしまいます。「なぜ」二人はいなくなってしまったのか、「どこへ」二人は行ってしまったのか、読み進めるうちに、次第に、徐々に明らかになっていきます…

物語全体の真ん中あたり、Rosemaryが22歳の頃(1996年)から話が始まり、そこを起点にして、「より前の時点へ」「より後の時点へ」と、話が同時並行的に進んでいきます。その結果、「なぜそうなったのか?」と「これからどうなるのか?」の両方の気持ちを抱きながら読み進めることになって、なかなか楽しかったです(ちょっと頭が忙しくなりますが…)。

また、本書のテーマについても、「人の記憶」「家族という微妙な関係」「動物との共感」「動物実験」等々、非常に興味深いものでした。

本題からは少しそれますが、本書の中に時々、日本語や、日本に関係すること(徳弘正也の「ターちゃん」、小林一茶の「やれ打つな 蝿が手をする 足をする」等)が出てくるのがちょっと面白かったです。そのお陰で、本書に対してより親近感が湧きました。

読み易さという点では、私にとっては難しい単語、言い回しが多く、結構骨が折れましたが、内容が興味深いので、一気に読むことができました(意味の分からない箇所を飛ばしながらですが…)。洋書に慣れていない方にとっては読みにくいかなぁ…とも思いますが、内容的にはお勧めです。

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渡辺由佳里さんが書かれているように、本書のあらすじにはあまり触れない方がいいと思うのですが、一つだけ…

この物語の終わりの方で、主人公のRosemaryが…

I've spent most of my life carefully not talking about Fern and Lowell and me. It will take some practice to be fluent in that. Think of everything I've said here as practice. 

Because what this family needs now is a great talker.

と述べるのですが、特にこの箇所を読んだ時に、私は胸にこみ上げてくるものがありました。他の方はどうなのでしょう…

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