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読みました(洋書/ビジネス) ~ Leaders Eat Last

アメリカのAmazonで売れているようだったのと、題名に引かれて読んでみました。Goldman Sachs、3M、Ralph Lauren、BP、Costcoといった、有名企業の例も出てくるので、なかなか興味深く読むことができました。文章も分かり易く書かれており、読み易かったです。

この本で主張していることは、概ね次のとおりだと私は認識しました。

1 "selfish chemicals"が優位の社会になってしまった…

我々の幸福な気持ちには、体内にある4つの物質(①endorphins ②dopamine ③serotonin ④oxytocin)が影響している。①②を"selfish chemicals"と、③④を"selfless chemicals"と呼ぶ。

①endorphinsは、身体を酷使した時に分泌が促進され、身体的苦痛を感じさせなくする。大昔、我々人類は、この働きのおかげで身体を極限まで酷使することができたため、生き延びることができたのである。

②dopamineは、自分が探し求めていたものを見つけたとき、成すべき事を達成したときに分泌が促進され、その結果、我々は喜びを感じる。しかし、残念ながら、この喜びはそれほど長続きしない上に、中毒性がある。

③serotoninは、自分が他の人に認められたり、尊重されたときに分泌が促進される。その結果、我々は喜びを感じ、誇りと自信を持つのである。

④oxytocinは、信頼できる仲間と共にあるとき、他の人に優しくしたとき、されたとき、人が他の人に優しくしているのを見かけたとき、分泌が促進される。その結果、我々は喜びを感じ、友情や愛情を持つのである。そして、更に嬉しいことに、この喜びは長続きする。

我々人類は、"selfish chemicals""selfless chemicals"のバランスのとれた働きのお陰で、時には各々が個人的な目標・目的に向かって頑張り、時には他者と一緒に共通の目標・目的に向かって頑張ることができたので、他の生物に比べて、飛躍的に発展できたのである。もっと言えば、"selfless chemicals"の働きにより、他者と進んで協力できたからこそ、我々人類はここまで発展できたのである。

しかしながら、現在の社会は、個人的な目標の達成、短期的な目標の達成が重要視され過ぎてしまっており、"selfish chemicals"の働きが"selfless chemicals"の働きよりもかなり優位に立ってしまっている。結果として、我々は、個人的な利益、短期間での(即時の)成果を追い求めるようになり、時間・労力をかけて他者と協力することが難しくなってきている。

2 組織内に"Circle of Safety"を築くことが重要である

ある組織が息長く、安定して発展していくためには、その組織内に安心して働ける環境、お互いを信頼できる環境(Circle of Safety)を築かなければならない。そのような環境があって初めて、メンバーが自分の力を出し切って、進んで協力して共通の目標・目的(組織の目標・目的)に向かって取り組むようになるのである。(これは、"selfless chemicals"の働きが優位に立っている状況であると言える。)

一方、組織内に"Circle of Safety"がない、つまり、(組織の外からだけでなく)組織内からも攻撃される虞がある場合、メンバーは、何よりも、自分の利益・保身を優先的に考えるようになり、組織の目標・目的に向かって全力を尽くしたりはしなくなる。そして、もっと悪いことに、ミスが隠蔽されるようになり、組織内で情報が行き交わなくなる。(これは、"selfish chemicals"の働きが優位に立っている状況であると言える。)

現在、会社等の組織は、業績に応じて「安易に」解雇を繰り返しているが、そのことにより短期的な利益を確保することができたとしても、メンバーは常に「いつクビにされるか分からない…」という環境下("Circle of Safety"がない状況)におかれ、メンバーが組織のために全力を尽くすことはなくなるので、他者との競争に勝つことができず、長期的には組織にとってマイナスになってしまうのである。

3 "Circle of Safety"を築くのがリーダーの役割である

組織内に"Circle of Safety"を築くためには、リーダーの役割が重要である。リーダーが、自分の利益を犠牲にしてでも、メンバー全員の安心・安全を守ろうとすることにより、組織内に"Circle of Safety"が築かれるのである。その結果として初めて、メンバーが協力して、組織の為に全力を尽くすようになる、リーダーのビジョンを実現しようと頑張るようになるのである。

裏返せば、組織内に"Circle of Safety"が無い中で、リーダーがメンバーに対して、いくら懸命に頑張るよう、お互いに協力するよう指示しても、そもそも無理・無駄なのである。

"Circle of Safety"は、一朝一夕には築くことが出来ない。時間をかけてメンバーの生の声を聴き、メンバーと気持ちを通わせ、メンバーのことを思いやる行動を一つ一つ積み上げていくしかないのである。

…以上が、この本の要点だと思いました。

この本を読みながら、「個人的な利益、短期間での(即時の)成果を求める風潮・姿勢は、まさに今の自分にも当てはまるなぁ…」と感じましたので、結構身につまされました。そして、自分の経験からも、確かに、短期間で成果を得たときの喜びは長続きしないなぁ…と思いました。

一方で、時間・労力をかけて、他者と協力して何かを成し遂げたときのことは、長い間経った後でも、本当に良い思い出として残っています。

この本は、リーダーの役割の大切さについて述べていますが、著者は次のようにも書いています。

As employees or members of the group, we need the courage to take care of each other when our leaders don't. And in doing so, we become the leaders we wish we had.

Though those with formal rank may have authority to work at greater scale, each of us has a responsibility to keep the Circle of Safety strong. We must all start today to do little things for the good of others...one day at a time.

Let us all be the leaders we wish we had.

まだリーダーでない私も、自分の属している組織(会社、家族、セッションの場(?)…)に少しでも"Circle of Safety"を広げていけるよう、組織のメンバー一人一人の気持ちに気を留めながら、日々過ごしていければなぁ…と思いました。

組織の論理に流されそうになる自分を、少し軌道修正してくれるような、そんな本でした。お勧めです。

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