« 2014年3月 | トップページ | 2014年5月 »

読みました(洋書/フィクション) ~ The Rosie Project

渡辺由佳里さんの「洋書ファンクラブ」における、「これを読まずして年は越せないで賞」受賞作(フィクション(SF、ミステリ、ラブロマンスを含む大衆小説)部門)です。昨年末に、受賞作決定のツイッター会議に横やり参加してから、ずーっと読みたいと思っていたのですが、やっと読むことができました。

ごくごく簡単に言ってしまえば、「誤解から始まったドタバタ劇(ラブ・コメディ)」ということになるかと思いますが、そのドタバタ劇がとっても面白かったです。普段読まないジャンルの本ですが、最後の50頁ぐらいは、止まらなくて一気に読んでしまいました。

アスペルガー症候群(Asperger syndrome / Asperger's)と思われるDon(遺伝学の準教授、39才)は、細かく時間を区切って綿密に計画を立て、合理的・効率的な行動・パターンをとることを厳守して暮らしていましたが、Rosieと出会ってから、その行動・パターンが崩されていきます。

そしてDonは、非合理的・非効率的な行動を楽しんでいる自分に戸惑いながらも、自分自身・Rosie・友人・その他の人たちの行動・感情を、自分なりに丁寧に観察・分析し、その上で、Rosieのことを想い、自らを良い方向に変えようと努力します。そして更には、Rosieや友人の人生をも良い方向に変えようと努力します。

その努力の仕方が、とてもストレートなので、読んでいてとても清々しかったです。また、Donの、自分の核となる部分は保ちながらも、変えられるところは変えようとする姿勢にも、非常に共感を覚えました。

Donは、他人の感情を理解するのがとても苦手なので、読んでいて可笑しいところが沢山ありましたが、私自身も他人の気持ちを読むのがそれほど得意ではないので、なんか共感してしまうところも結構ありました。他人の気持ちを読んでいるつもりでも、読み違えていることもよくありますし、Donと私の差も程度の問題かなぁ…なんて思ってしまいました。皆さんはどうでしょう?

また、Donの自分自身・他人の行動・感情の分析が、まるで認知療法・論理療法を実践しているようで、とても興味深かったです。Donの分析は非常に論理だっているので、英語で読んでも、とても理解しやすかったです。

最後に、Rosieの本当の父親は誰なのか、私は最後の最後になるまで分かりませんでした。作者の筋書きにまんまと引っ掛かってしまった感じで非常に悔しいです…

元々は、映画の脚本として書かれたもののようなので、きっと映画化されるでしょう。

※この本が気に入った方は、こちら(mockingbird)もどうぞ…

孝子駅 ~ 孝子小学校

大阪府最南端にある「孝子(きょうし)駅」。読みは違いますが、我家の名字と同じ駅名です。

仕事で和歌山に行く時に通過したことは何度かありましたが、一度は途中下車してみたいと思っていました。最近、勤務先の大先輩からも「せっかく大阪に来たのだから、思い出に行ってみるといいよ!」と勧められたので、それならと一家で行ってきました。

2時間弱で、南海電鉄「孝子駅」に到着。天気もまずまずで、のんびりとした良い雰囲気でした。

到着後、一家でしばらく写真撮影大会…かなり怪しい人達だったと思います…

1 2 3

4 5 6

左:和歌山方面(南方)/中央:なんば方面(北方)/右:ホームから

トンネルを抜けた、一駅南の「和歌山大学前駅」は、もう和歌山県です。

「孝子(きょうし)駅」から歩いて数分のところに「孝子(きょうし)小学校」があります。平成5年から休校中で、現在は「岬の歴史館」となっております。

係員の方がいろいろと説明してくれました。ありがとうございました。m(_ _)m

Photo

2_2 3_2 4_2

5_2 6_2 7

昔は瓦の産地だったそうで、瓦の展示もありました。「谷川瓦」と呼ばれていたようです。

1_2 2_3 3_3

4_5 5_3 6_3

なかなかデザインが面白いですね。

卒業記念製作も、いくつか飾ってありました。歴史を感じます。

S41 S44 S462

左から:昭和41年、44年、46年

S46 S47

左から:昭和46年、47年

S50 S63 H2_3_4

左から:昭和50年、63年、平成2・3・4年

今回は行けなかったのですが、「孝子の森」なるものがあるようです…

Photo_2

この後、昼ご飯を食べるため、最近竣工した「イオンモール和歌山」へ。お隣の「和歌山大学前駅」のすぐ傍にあります。

Aeon1 Aeon2 Aeon3

Aeon4_5 Aeon5 Aeon6

Aeon7 Aeon8 Aeon9

イオンモールからの眺め、茶色の建物は「和歌山大学前駅」

思っていたよりも人手が多く、賑わっておりました。よかったです…

***********************************************************************

地味ですが、なかなか楽しい小旅行でした。いい思い出になったと思います。

読みました(洋書/ビジネス) ~ Leaders Eat Last

アメリカのAmazonで売れているようだったのと、題名に引かれて読んでみました。Goldman Sachs、3M、Ralph Lauren、BP、Costcoといった、有名企業の例も出てくるので、なかなか興味深く読むことができました。文章も分かり易く書かれており、読み易かったです。

この本で主張していることは、概ね次のとおりだと私は認識しました。

1 "selfish chemicals"が優位の社会になってしまった…

我々の幸福な気持ちには、体内にある4つの物質(①endorphins ②dopamine ③serotonin ④oxytocin)が影響している。①②を"selfish chemicals"と、③④を"selfless chemicals"と呼ぶ。

①endorphinsは、身体を酷使した時に分泌が促進され、身体的苦痛を感じさせなくする。大昔、我々人類は、この働きのおかげで身体を極限まで酷使することができたため、生き延びることができたのである。

②dopamineは、自分が探し求めていたものを見つけたとき、成すべき事を達成したときに分泌が促進され、その結果、我々は喜びを感じる。しかし、残念ながら、この喜びはそれほど長続きしない上に、中毒性がある。

③serotoninは、自分が他の人に認められたり、尊重されたときに分泌が促進される。その結果、我々は喜びを感じ、誇りと自信を持つのである。

④oxytocinは、信頼できる仲間と共にあるとき、他の人に優しくしたとき、されたとき、人が他の人に優しくしているのを見かけたとき、分泌が促進される。その結果、我々は喜びを感じ、友情や愛情を持つのである。そして、更に嬉しいことに、この喜びは長続きする。

我々人類は、"selfish chemicals""selfless chemicals"のバランスのとれた働きのお陰で、時には各々が個人的な目標・目的に向かって頑張り、時には他者と一緒に共通の目標・目的に向かって頑張ることができたので、他の生物に比べて、飛躍的に発展できたのである。もっと言えば、"selfless chemicals"の働きにより、他者と進んで協力できたからこそ、我々人類はここまで発展できたのである。

しかしながら、現在の社会は、個人的な目標の達成、短期的な目標の達成が重要視され過ぎてしまっており、"selfish chemicals"の働きが"selfless chemicals"の働きよりもかなり優位に立ってしまっている。結果として、我々は、個人的な利益、短期間での(即時の)成果を追い求めるようになり、時間・労力をかけて他者と協力することが難しくなってきている。

2 組織内に"Circle of Safety"を築くことが重要である

ある組織が息長く、安定して発展していくためには、その組織内に安心して働ける環境、お互いを信頼できる環境(Circle of Safety)を築かなければならない。そのような環境があって初めて、メンバーが自分の力を出し切って、進んで協力して共通の目標・目的(組織の目標・目的)に向かって取り組むようになるのである。(これは、"selfless chemicals"の働きが優位に立っている状況であると言える。)

一方、組織内に"Circle of Safety"がない、つまり、(組織の外からだけでなく)組織内からも攻撃される虞がある場合、メンバーは、何よりも、自分の利益・保身を優先的に考えるようになり、組織の目標・目的に向かって全力を尽くしたりはしなくなる。そして、もっと悪いことに、ミスが隠蔽されるようになり、組織内で情報が行き交わなくなる。(これは、"selfish chemicals"の働きが優位に立っている状況であると言える。)

現在、会社等の組織は、業績に応じて「安易に」解雇を繰り返しているが、そのことにより短期的な利益を確保することができたとしても、メンバーは常に「いつクビにされるか分からない…」という環境下("Circle of Safety"がない状況)におかれ、メンバーが組織のために全力を尽くすことはなくなるので、他者との競争に勝つことができず、長期的には組織にとってマイナスになってしまうのである。

3 "Circle of Safety"を築くのがリーダーの役割である

組織内に"Circle of Safety"を築くためには、リーダーの役割が重要である。リーダーが、自分の利益を犠牲にしてでも、メンバー全員の安心・安全を守ろうとすることにより、組織内に"Circle of Safety"が築かれるのである。その結果として初めて、メンバーが協力して、組織の為に全力を尽くすようになる、リーダーのビジョンを実現しようと頑張るようになるのである。

裏返せば、組織内に"Circle of Safety"が無い中で、リーダーがメンバーに対して、いくら懸命に頑張るよう、お互いに協力するよう指示しても、そもそも無理・無駄なのである。

"Circle of Safety"は、一朝一夕には築くことが出来ない。時間をかけてメンバーの生の声を聴き、メンバーと気持ちを通わせ、メンバーのことを思いやる行動を一つ一つ積み上げていくしかないのである。

…以上が、この本の要点だと思いました。

この本を読みながら、「個人的な利益、短期間での(即時の)成果を求める風潮・姿勢は、まさに今の自分にも当てはまるなぁ…」と感じましたので、結構身につまされました。そして、自分の経験からも、確かに、短期間で成果を得たときの喜びは長続きしないなぁ…と思いました。

一方で、時間・労力をかけて、他者と協力して何かを成し遂げたときのことは、長い間経った後でも、本当に良い思い出として残っています。

この本は、リーダーの役割の大切さについて述べていますが、著者は次のようにも書いています。

As employees or members of the group, we need the courage to take care of each other when our leaders don't. And in doing so, we become the leaders we wish we had.

Though those with formal rank may have authority to work at greater scale, each of us has a responsibility to keep the Circle of Safety strong. We must all start today to do little things for the good of others...one day at a time.

Let us all be the leaders we wish we had.

まだリーダーでない私も、自分の属している組織(会社、家族、セッションの場(?)…)に少しでも"Circle of Safety"を広げていけるよう、組織のメンバー一人一人の気持ちに気を留めながら、日々過ごしていければなぁ…と思いました。

組織の論理に流されそうになる自分を、少し軌道修正してくれるような、そんな本でした。お勧めです。

« 2014年3月 | トップページ | 2014年5月 »

Twitter