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読みました(洋書/フィクション) ~ A TALE FOR THE TIME BEING

この本は、渡辺由佳里さんの洋書ファンクラブで「これを読まずして年は越せないで賞」の候補になっていたのと、日本が舞台になっているとのことだったので、フィクションが苦手な私にはちょっと難しそうだったのですが、挑戦してみました。

主人公である Nao(東京・東北、日本)の記した、見知らぬ「誰か」に宛てられた日記を、もう一人の主人公である Ruth(Whaletown, Canada/この本の著者)が読む形で、話が展開していきます。その日記は、偶然に(必然に?)Ruth のもとに流れ着きます。

Nao の日記は、バブルの崩壊、家族の崩壊、うつ、自殺、いじめ、売春、戦争、仏教、禅、祈り…様々なテーマを含みながら、進んでいきます。日記を読む Ruth の思いも、病い、老い、テロ、孤独、震災、津波、シュレーディンガーの猫…様々なテーマを巡ります。

そして、Ruth が Nao の思いに応えるかのように、日記の世界に引き込まれていき、ついには Ruth の思いが Nao の現時点(time being)に、Nao の思いが Ruth の現時点(time being)に相互に影響を与えます。

You wonder about me.
I wonder about you.
Who are you and what are you doing?

そして、その結果、Nao と Ruth の現時点(time being)は、少しだけ良い方向に向かっていきますが、Nao がその後どうなったのか、分からないままで日記は終わります。そして、Ruth は、その分からないままの状況(not-knowing)を受け入れます。

I don't think you are dead.

I know I can't find you if you don't want to be found. And I know you'll be found if you want to be.

Ruth が Nao の日記の世界に引き込まれていくにつれて、読んでいるこちらも引き込まれていきました。後半は、先が知りたくて知りたくて、私にしては結構速いペースで読んだと思います。

この本は、読む人の思いによって受け取るメッセージが異なる、なんか不思議な本だと思います。

私にとっては、この本を読んで、(祈りを含めた)思うことの力、思うことによって自分の行動が変わり、他の人の行動が変わり、世の中もほんの少しだけ(良い方向に)変わるのだ、というようなメッセージをいただいたような気がしています。

ある方は「震災で行方不明になられた方への Ruth の想いがあの結末に込められている気がして…」といったご感想をお持ちでした。確かに、この本からは、そのような「祈り」のようなものも感じます。

また、この本は、英語の本なのに日本語が沢山出てきます。ローマ字だけでなく、平仮名も漢字も出てきます。そういう意味でも、とても不思議な感じのする本です。邦訳するのがとっても難しそうです…

正直なところ、知らない単語も沢山あり、量子力学の話も出てきたりして、読むのに骨が折れました。なので、この本を十分に理解できている自信はないのですが、この本についていろいろ考えれば考えるほど、いろいろなメッセージを受け取ることが出来ました。

非常に味わい深い本だと思います。

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